本日はネタの作り方、書き方。
ゴールデンタイムのネタ番組にも出演し、テレビのレギュラー出演も経験した実績を持つ、私もりいが丁寧に教えます。
こちらの記事では、
- 漫才とは
- コントとは
- ピンネタとは
- ネタ作りの流れ
など、基礎編として解説します。
さて、お笑いの養成所に行けば、
『ネタ見せ』なる授業があります。
文字通り”ネタを見せる”授業。
養成所ではいろいろな授業がある中、この授業が確実に最重要となります。
そしてここで必要になるのが、
『ネタ』
です。
養成所のネタ見せ授業は週1もしくはそれ以上あるところが多いです。
週1で新ネタを書くのは至難の業ですが、デビュー前、デビュー直後の若手ならそれぐらいやらないといけないので、ぜひこの記事を最後まで読んで勉強してください。
※ネタの作り方は千差万別、人によって全く違い、正解はありません。それを前提にこの記事では、初心者向けに限りなく『一般的な考え方』を教えます。
漫才とは
ネタの書き方の前に、まずは漫才・コント・ピンネタのそれぞれの考え方を説明しておきます。
漫才はいわゆる、
『素(す)』に近い状態で、その人『本人として』ネタをおこなうこと
になりますので、
・自分が思っていること
・やってみたいこと
などをネタにすることが多いです。
『漫才コント』と言って、漫才の途中でコントに入ることもありますが、それでも『素』に近いキャラクターは崩さないことが多いです。
また、芸人のキャラクターやパーソナリティが問われるのが漫才です。
逆に言うとそれが無いとネタとしては成立しません。
テレビで見たことのあるようなネタを、知らない芸人がそれっぽくやっても誰も見向きもしてくれません。
例えばそこに出身地や特技、などのパーソナリティが入ってくるとその人たちがやる意味が出てきます。
パーソナリティで例えれば、
「田舎出身のボケと、都会出身のツッコミ」とか、
「元プロボクサーのボケと元いじめられっ子のツッコミ」とか。
キャラクターで例えれば、
「陽気すぎるボケ」「神経質すぎるボケ」「超恋愛体質なボケ」などなど、様々ありますが、
そういった、その人自身の人間性に沿ってネタを作るのが基本です。
ここが嘘くさく見えた段階で見るに耐えないクソネタになりますのでご注意ください。
また昨今、「これは漫才なのか??」という漫才論争が起こっているようですが、基本的には細かいルールはありません。
センターマイクを置いた状態で、(基本は)小道具を使わずに笑いを取る
そこさえ守れば大丈夫です。
コントとは
コントは漫才とは違って、完全に自分以外のキャラクターになりきるものです。
逆に、
『素』は出しません。
なので、設定を決めるのと同時に登場するキャラクターも決めなければいけません。
キャラクターさえ決めてしまえば、あとはそのキャラがこういった場所に行ったらどういう風にするか、というのを考えていくだけなのである意味、楽かもしれません。
コントはある意味、演技をして役になりきるので、自分の個性と真逆でも大丈夫です。
例えば普段はめちゃくちゃ暗い正確なのに、コントのキャラがめっちゃ陽気なキャラ、というのはありです。
ここが漫才とは違うところです。
また、小道具やセットを使うことができるのもコントの特徴です。
ピンネタとは
ピンネタは非常に難しいです。
決まった形がないので、自由な分、発想力が必要になります。
ピン芸その1 フリップ芸
フリップ芸は一番手っ取り早く作れて簡単に笑いを取る方法です。
要は、相方がいないというデメリットをフリップが補ってくれるからです。
フリップにボケを書いておいてそれにツッコんでいく、というのが主流のやり方です。
ただし、フリップでは個性が出しにくく、目先の笑いは取れても先につながっていくような、自分らしいネタというのが作りづらいです。
実際に「R-1グランプリ」でも、1回戦はフリップ芸で勝ち上がる人が非常に多いですが、2回戦以降、フリップ芸人が勝ち上がっていくのが非常に難しいです。
ピン芸その2 漫談
目の前のお客さんやカメラに向かって話しかける形のネタ。
コンビで言うところの漫才の一人バージョンと考えて良いと思います。
非常に高度な話術が必要なスタイルで、自他ともに『しゃべるのが得意だ』という人だけが挑めるスタイルだと思います。
ピン芸その3 一人コント
一人でコントの世界に入り、見えない相手と会話をしたり、リアクションを取ったりする手法。
基本的には演技力が求められますが、オリジナルの世界観は作りやすいはずです。
世界観さえしっかり作ることができたなら、そこでは全てが自由。
その世界の全てのルールを、あなた自身が作ることができます。
ネタの書き方(基礎)
①テーマを決める
あなたにとっての『テーマ』って
、なにかね??
『誠意』ってなにかね、みたいに言うな!!
いよいよネタの書き方ですが、
まず始めにそのネタのテーマを決めます。
テーマの決め方は様々ですが、
・日々考えていること、思っていることをネタにする
・自分の好きなこと、興味のあることをネタにする
・やりたいボケ、やりたいツッコミを広げる
などのやり方があります。
ネタのカラーはその芸人によって変わります。
やるのであれば自分の趣味思考、主義主張が入っている方がオリジナリティのあるネタを作りやすいです。
例えば『デートのやり方』という同じテーマでも、
『爆発的にモテたいから一気に複数の女性とデートをしてみたい』
『神経質な僕がデートをしたら…』
『ラーメンが好きだからラーメンデートがしたい』
など、絞ってテーマを考えることでより考えやすくもなります。
ポイントは、
【本当に自分が思っていること】を軸にすること。
であればネタに説得力も出てきますし、いろいろな発想も出やすいです。
あと、このテーマ決めの段階でいくつかボケやツッコミを考えておいてください。
次に進むときに、ある程度のボケがないと進んでいきません。
②構成を考える
えらい考えること多いなあ!!
まだ2個目やぞ!!
テーマが決まったら構成を考えます。
- どういった導入で、
- どのように展開していって、
- どこで盛り上がりのピークをむかえて、
- どう落とすか。
テーマ決めのときに考えたいくつかのボケを散りばめてそれを骨格とします。
そしてそこに肉付けするように展開に合わせて他のボケを考えていきます。
③台本に起こす
ノートはA4ですか?A5ですか?
そんなことはどうだっていいんだよ!!
ある程度の構成が固まれば、次は台本に起こします。
台本はまずは自分にだけわかればいいので簡単なメモ書きのようなものでも十分です。
この段階で大切なのは『忘れないため』の台本。
意外と次の日になったら忘れてしまうということはよくあるのでなるべく書き留めるようにしましょう。
そして、ネタがある程度完成したらセリフを台本に起こしていきます。
これはいわば相方に伝えるため。
ネタを書く人間は、頭にネタが入っているので正直台本は必要ありません。
ただし、相方にネタを伝えるには台本が一番です。
こちらもケースバイケースで、コンビ一緒にネタを書いている場合や、有能な相方であれば、台本は必要ないという可能性もあります。
④読み合わせ
台本が頭に入ったら読み合わせをします。
実際に言葉に出してやってみることで、
「あれ?思ってたのとちょっと違うな」
「ここはこういう言い方だと伝わらなそうだな」
とかがわかってきます。
それで修正をしていきます。
⑤立ち稽古
読み合わせが終わったら立ち稽古です。
ここでの目的は『動きを確認すること』です。
読み合わせのときより本番に近い動きでやってみて、ここでも修正をしていきます。
このときこのタイミングでこっちを向くからそのとき相方に頭を叩いてもらう、など、細かく考えていきます。
⑥いざ本番
立ち稽古も終わったら次は『いざ本番』です。
いくら立ち稽古で練習していても、
お客さんの前やオーディションの審査員の前は緊張感が別格です。
また、お客さんの前であれば反応があります。
ネタのウケた部分、スベった部分を持ち帰り、次に向けてそこを調整・修正します。
あとは場数を踏んでどんどんネタをブラッシュアップしていきます。
以上、ネタ作りの考え方・流れについて説明をしました。
それでは!みなさんぜひ頑張ってみてください!!
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