【元芸人が教える】お笑いネタの作り方。実際のプロのネタを用いて大解説!【実践編】

お笑い芸人になるためのノウハウ

お笑いのネタの作り方

今回は実践編です。

漫才・コントのネタの書き方がイマイチわからない…

ネタ作りの基本を教えてほしい

実際にネタの勉強をする上で、何をすればいいのかわからない…

このような疑問がある方は、ぜひこの記事を最後まで読んでください。

今回、実際のプロのネタを用いて大解説したいと思います。

この記事でわかること

  • ネタ作りに重要なポイント3つ
  • ネタ作りの実践方法

用いるネタは、

2005年M-1グランプリより、

ブラックマヨネーズさんの1本目のネタ『ボーリング』です。

こちら漫才ですが、コントやピンネタにも通じる基本ポイントも含め説明していきますね。

もりい

★20代 お笑い芸人を目指して上京!
デビュー後、ゴールデンタイムのネタ番組にも出演!
テレビのレギュラー出演もしていました。

★30代 芸人引退→サラリーマンへ
元芸人として苦悩しながらも管理職に登り詰める。

★40代 現在年収700万円を超える安定のサラリーマン生活。ブログを始める。

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ブラックマヨネーズ『ボーリング』(M-1グランプリ 2005)』

今回の教科書として選んでみたのがこちらのネタ。

まずはネタの文字起こしがありますので下記読んでみてください。

———–

小杉「はいどーもお願いします」

吉田「まあ僕ら二人とも独身なんですけどもね」

小杉「そうですね」

吉田「やっぱ今のうちからね、運命の人と会った場合、最初のデートどこへ連れて行くか、これが大事やと思うねんな」

小杉「最初のデート悩むからね」

吉田「だからどういうとこ連れて行ったらええかなぁ」

小杉「ボーリングとか意外とええんちゃう?」

吉田「あぁ、ボーリングなー」

小杉「二人でやったらバァっと楽しく盛り上がって仲良くなるやん」

吉田「いやでもなー、ボーリングって、なんか汚いイメージあるやろ?」

小杉「汚いって?」

吉田「例えば靴はみんなの使いまわしやし、あのボーリングの玉も誰が指入れたんやわからへん穴に入れなあかんやん」

小杉「そうな風に考えるからやん。そこはちゃんとキレイに洗ってくれてるよ。」

吉田「で、男が選ぶ玉なんて大概14ぐらいのもんやろ?」

小杉「まぁまぁ14ポンドぐらい…」

吉田「ほな俺が赤紫の14持ったら彼女が前の彼氏を思い出して泣きよったらどうしようかなあと思うねんなぁ」

小杉「ほんなんやったら13選んだらええがな
それやったらかぶれへんやんけ」

吉田「それやったら俺前の男より力無いみたいやんけ」

小杉「ほな15選べや
前の男より力あると思われるから大丈夫やんけ」

吉田「俺は自分に嘘ついてまで付き合いたくないねん」

小杉「考え過ぎや
ボール一個でそんな風に思わへんよ
そんなんやったら自分専用のマイボール買うたらええやんけ」

吉田「簡単に買え買え言うなやお前!」

小杉「いや買うしかあらへんやんけマイボール」

吉田「お前村上ファンドか!!」

小杉「そんなでかいもん買え言うてへんねん
買い取れ言うてへんやんけボール一個やろ」

吉田「ほな仮に買うとせえや
聞かなあかんこといっぱいあるぞ」

小杉「なんやねん」

吉田「どんな玉買うたらええねん」

小杉「14ポンドの赤紫がええ言うとったやんけ」

吉田「俺が言うてんのは穴の大きさや!」
いざ自分が買うとなったら、やっぱりワンサイズ大きめの穴がええんかなとか」

小杉「なんで大きめやねん」

吉田「指が成長したときのためやんけ」

小杉「やれへんよ!
中学生が制服買うのんちゃうねんぞお前」

吉田「逆にピタTが流行ったときみたいにピタピタのボールが流行ってんちゃうかな…とか」

小杉「ピタピタやったらボール抜けへんからゲームにならへんやんけ」

吉田「そこまでピタピタな話してへんやろ!!」

小杉「いや例えばやん」

吉田「それやったら抜けたことが嬉しいわ!
一本も倒れんでええわ。
『抜けた!!やったー!!』や。
負けたやつどうすんねん明日からこのまま生活しなあかんやろ」

小杉「それは悪かったから、
ちょうどええ感じの大きさのボール買いいや、そしたら…」

吉田「買う方向で話進めんなってお前!!」

小杉「買うしかあれへんやんけだから!!」

吉田「ほな仮に買ったとせえや!
あんな重たくて丸い玉、何に入れて持って帰ったらええねん!」

小杉「専用のカバンが売ってるから買って入れて持って帰れや!」

吉田「また買え買え言うてるやん!!
(笑い待ち)
なぁ!これ以上金使うんは違うやろ!!」

小杉「ほな家からスーパーのビニール持ってきて入れて帰れや!!」

吉田「破れるやん。

(笑い待ち)
俺の家、上本町いうて大阪の坂の上やぞ。
あんなとこで破れたら難波まで転がっていくわ!」

小杉「どこまで転がっていくねん
ほな3枚ぐらいスーパーのビニール持ってきて重ねて入れて帰ったら破れへんやん!」

吉田「お前スーパーの袋にあんな丸いもん入れとったら、
『あぁ、あの人もう寒いのにまだスイカ買ってはる』と思われるやんけ!」

小杉「考え過ぎや言うてんねん!
歩いて行くからやんけ!
原付バイクで行けや!
メットインにボールがちょうどポコっと入ってブィーンって帰れるやろがい!!」

吉田「お前危機管理シミュレーション能力ゼロか!!」

小杉「なにで怒られてんねん」

吉田「確かにメットインの中に玉は入るよ」

小杉「入るやんけ!」

吉田「けど交通事故を起こした場合や
車にぶつけられたとき、本来5メーター飛ぶはずの事故があんな重たいもん乗せてるから全然飛べへん
ほなそれ見てたおばちゃんが
『あぁ、あの子大丈夫やな』思って救急車呼んでくれへんかったらどうすんねん!」

小杉「書いとけや!!!」

吉田「…何をや?」

小杉「『ボーリングの玉を積んでいるため交通事故を起こした場合、実際より5メートル飛んでいるとお考えください』って書いとけや!!」

吉田「お前そんな字いっぱい書いたスクーター見たことあんのか」

小杉「気づいてほしいんやろが書くしかあらへんがな」

吉田「どこに書くねんそんなもん」

小杉「コケたとき見えるように横に書いとくねん」

吉田「書いた方が下いったらどないすんねん」

小杉「ほな省略して『プラス5メートル』ってでっかく書いとけや」

吉田「そこだけ見たらなんのことかわからへんやないか!」

小杉「そう思った人は反対向けて見てくれるよ」

吉田「それやったら最初から『ひっくり返してください』って書いといた方がええやろ!」

小杉「……。(笑い待ち)
『ひっくり返してください』って書いてほいでこっちに『プラス5メートル飛んで』って」

吉田「もうええわ!!(ビンタする)」

小杉「手出すな!
手出したらあかんやろお前…
なんで手出すねん」

吉田「お前なぁ…」

小杉「なんやねん」

吉田「ボーリングってそんな大変なことじゃないと思うねん」

小杉「お前が細かく考えるからそうなるんちゃうん」

吉田「もうええわお前に相談したんが間違いや
もう今後何があってもお前なんかに相談せえへんわ」

小杉「誰に相談すんねんこれから!」

吉田「いっつも行ってる皮膚科の先生に相談するわ」

小杉「何でもかんでも無理や
もうええわ」

3分42秒 終了

ネタ作りのポイント

さて、ブラマヨさんのネタを参考に解説しますが、ネタ作りにはいくつかの重要なポイントがあります。

ここで紹介するポイントは、漫才・コント・ピンネタ、どれにも通じることなのでぜひジャンルに関係なくみなさんが参考にしてください。

ポイント①『つかみ』

つかみとは、ネタの一番最初に取る笑いのことで、知名度がないうちはここが重要になります。

見ている人にまず、「あ、この人面白いんだ」と思わせないと、真剣に見てくれません。なのでファーストボケをどこに持ってくるか、というのは非常に重要です。

今回のブラマヨさんのネタのつかみは、

吉田「俺は自分に嘘ついてまで付き合いたくないねん」

開始46秒でのファーストボケ。

つかみとしては割と遅い方です。

このネタはしっかりとした会話で作り上げていくスタイルなので遅めでしたが、ネタによっては開始10秒以内でのつかみなどは珍しくありません。

この辺はそのネタ・芸人のスタイルにもよるのでいろんなネタを見てみてください。

ポイント②『ボケ数(かず)』

次に全体で気にしたいのは、

『ボケ数(笑いポイントの数)』

ですね。

単純な目安としては、

★10秒に1回が標準です。

これは毎回10秒ごとにボケるというわけではなく、3分のネタであれば180秒なので、18回は笑いポイントがほしいということです。

このブラマヨさんのネタは約3分40秒

220秒の中に18回のボケがありました。

平均すると12秒に1回のボケです。

こちらは標準よりは少なめですが、これもブラマヨさんのこのネタのスタイル。

例えば小ボケで有名なナイツさんなどは、この約2倍はボケ数を入れてきます。

ちなみに、

赤字が小ボケ

赤太字が大ボケ

です。

ポイント③『後半にかけて盛り上げる』

後半にかけて”たたみかけて”いって盛り上げるのがネタの基本です。

盛り上がって終われば見ている人の中に『面白かった』という印象が残り、評価が高くなります。

今回のブラマヨさんのネタ222秒を3分割(74秒ごとに分けた)した場合でも、

前半ブロック 小ボケ 3、大ボケ 0

中盤ブロック 小ボケ 3、大ボケ 3

後半ブロック 小ボケ 5、大ボケ 4

ご覧のとおり、小ボケ・大ボケ・ボケ数、全てにおいて尻上がりです。

応用ポイント『ボケとツッコミが入れ替わっている』

今回のこのネタの書き起こしでわかる、一番重要なポイントがこれ。

『ボケとツッコミが入れ替わっている』です。

ブラマヨさんは、言うまでもなく吉田さんがボケで、小杉さんがツッコミですよね?

でも、よくよくセリフを見てみてください。

吉田さんのボケゼリフ、ツッコミワードになっていませんか?

特に後半その傾向が顕著に現れます。

ボケの吉田さんの考え過ぎ発言に散々振り回されるツッコミの小杉さん。

振りとしての提案がどんどん過剰になっていき、無茶なことを言い始めます。

普通のネタであれば、

  • ツッコミ「振る」
  • ボケ「ボケる」
  • ツッコミ「ツッコむ」

これで一つの笑いになるのですが、

このブラマヨさんのネタは、

  • 吉田「ボケる(これが振りになる)」
  • 小杉「ツッコむ(これがボケにもなっている)」
  • 吉田「ツッコみながらこれがボケにもなり、さらに次への振りにもなっている」
  • 小杉「ツッコむ(またこれがボケにもなっている)」
  • 吉田「ツッコみながらこれがボケにもなり、さらに次への振りにもなっている」

こういった形で、いわば確変状態みたいになり、どんどん笑いが増長していきます。

これはツッコミでありながら、どこか抜けていてお調子者の、小杉さんのキャラクターを最大限に活かしながら作り上げた、ブラマヨさんのオリジナルスタイルです。

こんなこと、何気なく見てるだけじゃわかりませんよね。

すごいネタにはこういったポイントが必ず隠されていて、研究すればそれがどんどん見えてきます。

ネタ作りの実践方法

【ネタ作りのコツ】としては、「売れている人たちのネタを参考にする!」

こちらは非常にシンプルですが非常に重要なことです。

お笑いに教科書はありませんが、めちゃくちゃ優れた、いわば『正解』が世の中に溢れています。

それが、『売れている人たちのネタ』です。

これを参考にしない手はないですよね?

とにかく数多くのネタを見まくってください!

自分の好きな芸人のネタを見ているだけでは幅が狭すぎます。とにかく数多くの芸人の数多くのネタを見まくって見てください。

そして、数本のネタを見るだけでは意味がありません。それじゃただ単にお笑いネタ番組を楽しんでいるに過ぎませんよね。

ネタを見るなら最低でも50〜100ぐらいは見てください。

僕も現役の頃は、定期的に数十本ぐらいはネタを見ていました。

そして、

気になるネタ、好きなネタはぜひ一度文字に起こしてみてください。

こちらも非常に重要です。

見ているだけではわからないことが、書き出してみると不思議なくらいに見えてきます。

「なるほど、ここの振りがここに効いてくるのか」とか、

「すごい技術かと思ったら内容は意外にシンプルなんだ」とか、

ホントにいろいろわかるので、ぜひやってみてください。

ちなみにたくさんのネタを見るにあたって、昔ならテレビを録画したやつを見るぐらいしか手段がなかったですが、今は数多くの動画配信サービスがあります。

その中で私もりいは、

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それでは皆様のネタ作りライフに、幸あれ!!

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