【元芸人が評する】KOC キングオブコント2021のレビュー、批評、感想。

KOC キングオブコント2021が先日終わりました。

レビュー、批評、感想を書きます。

撮って出しという感じで、早く載せたかったので文章のみですみません。

もりい

★20代 お笑い芸人を目指して上京!
デビュー後、ゴールデンタイムのネタ番組にも出演!
テレビのレギュラー出演もしていました。

★30代 芸人引退→サラリーマンへ
元芸人として苦悩しながらも管理職に登り詰める。

★40代 現在年収700万円を超える安定のサラリーマン生活。ブログを始める。

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総評


総評ですが、
今回のキングオブコントは物足りない内容でした。
というのも、会場とテレビ視聴者の間に温度差があったように思います。
理由は会場の客がウケすぎていた。
なぜウケすぎていたのか?
それは客がおそらく全員仕込みで、タレントだったから。
『審査員の後ろに映ってる女の子、かわいいなぁ』
って思いませんでした?
あれ、おそらくみんな書類審査に通ったタレント(の卵含む)です。
なので、お仕事で来ています。
つまり番組を盛り上げるのは仕事。
つまり笑うのは仕事ってことです。
無理やり笑うということはないですが、必要以上に笑ってる感じがしました。
そして問題は、審査員がその影響をモロに受けていたというところです。
お笑いの賞レースの審査というのは、
『会場のウケ』はポイントになります。
なのでみんなウケているので、必然的にみんな点数も高くなります。
今大会で審査員が口々に、
「おもしろかった」
「いいネタだった」
「すごい回になった」
など、高評価が続々。
これが会場のウケの影響を受けているので、テレビで冷静に見ている視聴者からしたら、
「そこまでかなあ…?」
という疑問・温度差が生まれてしまった。

それにしても、ネタを褒めすぎる審査員たちには非常に物足りなさを感じた。
グルメ番組で、
「おいしい!」「うまい!」「こんなの初めて!」
と褒めまくるコメンテーターのように、ネタを褒めることしかしない。
批評するにしても、
「もうちょっと盛り上がりがほしかった」
「爆発力がほしかった」
「展開が読めた」
など、感想レベルのコメントに留まる。
こうなってしまうのにも理由があり、
審査員が現役すぎた
これが理由です。
今回は審査員がダウンタウン松本さん以外が一新されたということで、
かまいたち山内さん
ロバート秋山さん
バイキング小峠さん
東京03 飯塚さん
というメンバー。
これは現役バリバリのテレビタレントです。
全員キングオブコント優勝コンビ・トリオの中心人物で、このメンバーなら文句なしと思ったのでしょう。
ただ、この人たちは選手として現役バリバリなだけで、審査員としては特に経験豊富なわけではありません。
野球でいうと大谷翔平くんがいきなり高校野球の監督やるようなもんでしょうか。
高校野球の選手たちも、大谷翔平が言うなら文句は言えませんが、それこそ名将と言われる監督と比べると、どちらが良いでしょうか。
実際に、今回の審査員の審査には個性がなく、会場のウケをなぞるようなコメントしかなかった。
ベテラン芸人や落語家、作家などが審査員をやると、
「はぁ?」
「何言ってんだ?この人は」
という審査コメントも飛び出して、出場者は納得できないだろうが、そういった、
客に左右されない独自のコメントや評価
も、こういった大会には必要なように今回感じた。少なくとも視聴者としてはそういうのも見たい。
現役バリバリの審査員の皆様にとっては、つい数年前まで自分も出場していた大会です。
出場者の気持ちがわかりすぎるのです。
あとは時代もあるのでしょうか。
厳しいコメントがほぼなかったのは、正直つまらなかった。
もっと言うと、松本さんの表情も気になった。
昨今盛り上がりを見せる、お笑いの賞レースの始まりといえばやはり、
M-1グランプリ
ですよね。
M-1の初期の頃の松本さんといえば、
ほとんどネタを見ては笑っていなかった。
もっと、ずっと難しい顔をしていた。
だからこそ、たまに笑ってるときは、
「ホントに面白いんだ!」と興奮したものです。
ただ今大会はどうだったでしょうか。
終始ニコニコ。
爆笑も多数。
正直「このボケ程度で??」
というのも多々ありました。
明らかに松本さんのスタンスが変わっています。
どちらかというと、
『審査』より、
『ショー』に、
重点を置いている気がしました。
この点も賛否両論あると思いますが、元芸人の僕からしたら、やはり物足りないと言わざるを得ませんでした。

キングオブコントの審査方法は、何度も変わっており、紆余曲折を繰り返しています。
少しでも良いものを、という制作側の努力が伝わる、非常に素晴らしいことだと思いますが、
初期の、『準決勝で破れた芸人たちが審査する』という、
本当に面白いものしかウケない、でも本当に面白ければ爆発的にウケる
という、あの骨太な内容から、時代に迎合する形の内容に変遷した。ということは言えるかと思います。

また、個々のコンビ・トリオたちの批評も書けたらと思いますが本日はこの辺で。

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